~ アロマテラピーについて ~

アロマテラピーって何すること?精油って何だろう?
どんな風に使うの?
…というお話

アロマテラピーって何すること?

アロマの香り~♪などと耳にする機会も多くなった近頃…アロマとは何なんだ?匂いか?と思っている方も多いことでしょう。
”アロマ”というのはフランス語で「芳香」という意味です。”テラピー”は「療法」で、その二つを合わて「アロマテラピー」という言葉ができました。フランスのガットフォセという方が作った言葉…いわゆる造語です。20世紀の話ですから、言葉自体は新しいですね。
アロマテラピーとは植物の持つ芳香成分(精油)の効果を利用した植物療法です。いい香りがすれば何でもいいというわけではなく、植物の持つ精油成分によって何らかの効果があるということですな!
世界的に見るとアロマテラピーというのは非常に幅広く、家庭で行う芳香浴やハウスキーピングから、サロンでセラピストやトレーナーが行うボディケア、そして医療行為としても行われています。フランス形式のように治療目的で医師が用いたり精油を処方する国もありますが、日本ではリラクゼーションなど美容や健康維持を目的として行うイギリス形式が主となっています。
どちらにしても植物の持つ力をいただいているということですね。そして!各国で法律も違うので使用範囲が違ってくるのも当然と言えば当然です(^_-)-☆

精油って何だろう?

まず始めに、「精油」という言葉…おしゃれなコスメ用語!ではなく、化学の授業で出てくる化合物の呼び名です(^_^;)
精油とは、植物が合成する有機化合物で、数百種~数千種の化学成分が含まれており、「揮発性」「芳香性」「脂溶性」「可燃性」を示す。う~ん難しい(*_*;
簡単に言うと植物が持っている芳香成分のことです。
植物によって必要な成分が違うため、合成される精油も個々に違います。松の香り…とか、バラの香り…とか、そして同じ植物でも花や葉っぱなど、部位によっても違います!
植物は精油を合成して保管しているのです。
植物の含有成分は化学成分として確認されているものもありますが、不明なものもたくさんあり、現在でも研究が進められています。植物成分の同定が出来るようになってから僅か200年…今後更なる発展が望まれる分野でもあります。
*文頭挿絵は「水蒸気蒸留法」の略図です。

いつ頃からあるの?

精油を植物成分の1つと考えると、その歴史は薬草の歴史と重なります。
紀元前3000年頃のメソポタミアの粘土板には最古の薬の処方が書かれており、その中には現代でも香料として利用されているものもあるそうです。またこの時代にはエジプトでも宗教儀式に植物を燻す薫香が行われたり、香りの調合も行われていました。
水やオイルに植物を浸けて浸剤を作ったり、植物を潰して絞るなどの方法で利用していたそうです。
紀元前400年頃の医師であるヒポクラテスは香油でのマッサージを推奨していました。
そして11世紀になると水蒸気を利用した蒸留器が開発されて芳香蒸留水が誕生しました。
その後芳香植物は医療、美容、嗜好品など多岐に分かれて研究されていくことになります。
「アロマテラピー」という言葉の誕生は1937年のことですが、その行為は太古の昔から行われていたのですね!(^^)!

精油をどうやって使うの?

私たちが目にする『精油』は遮光された小瓶に入って販売されていますよね。水蒸気蒸留などの方法で植物から取り出し、そのまま瓶に詰めたいわば原液です!
精油は非常に高濃度で、直接肌に付くと肌荒れなど炎症を起こすものが大半だと思ってください(-_-;)
ということで精油は希釈して使用します。
何を使って希釈するかは、作りたいものによって違ってきます。例えば、マッサージオイルだったら植物油で希釈、化粧水だったら精製水で希釈、といった具合です。
希釈する濃度は作るアイテムによって前後しますが、
(公社)日本アロマ環境協会では、安全に使用できる濃度は1%以内と案内しています。
また、赤ちゃんやお年寄り、肌の弱い方など、使用に適さないケースもあります。ここは注意が必要です!
芳香浴はもっとお手軽にできますね!アロマディフューザーに水を入れて、精油を1~2滴垂らすだけ(*^^)v スイッチONでアロマの香りを楽しめます。

植物のパワーをいただく

精油はどうやって体に入るの?

精油が私たちの体内に入る経路は大きく分けて3つあります。
①鼻や口から吸い込む
吸いこんだ成分は粘膜を通して体内に入り、血流に乗って循環し、やがて排出されます。但し、吸入後に呼気として大半を吐き出してしまうので効果は低めです。
鼻から入った香りはもう1つの経路をたどります。香りが電気信号になって脳に届くのです。すると過去の記憶などと結びつきリラックスしたり元気になったりします。『消毒の匂いを嗅ぐと注射を思い出していやな気分になる』というのも同じ原理です。そのため、効能だけでなく『好きな香り』を選んだ方がいいのですね。
但し、このルートは、香りが記憶を呼び起こしているという形なので、成分を取り込んだ結果とは違います。
②肌に塗布する
塗布すると表皮に浸透して真皮まで届きます。その後血管やリンパ管に入って体内を循環します。精油は油脂とよく混ざるという性質があるため皮脂と混ざり、分子も小さいので、体内に入っていくのですね。
③飲む
消化管からの取り入れは一番即効性があって、たくさんの成分を吸収できる…のですが、これは行いません!
日本では精油は食品でも医薬品でもないため、口に入れてはいけないのです!
そもそも植物成分を超高濃度で含有しているので、飲むと危険です!
世界各地で精油利用の事故はこの方法によって起こっています。
まずは安全に使う!これが第一ですね。

精油を選ぼう!

アロマテラピーでは精油がなければ何も始まりません。まずは精油選びです。
基本的には以下の2項目を考慮して選びます。
 ○目的の成分が含まれた精油を選ぶ
 ○好みの香りを選ぶ
目的の成分が入っていることはもちろんですが、好みの香りであることも重要です。
例えば、リラックス用のスプレーを作ったとします。
成分はとても優れているけれど、嫌いな香りです。これを使用すると…
  臭いと感じる → ストレス → 自律神経の乱れ → 不調
といった経過をたどるかもしれません。
逆に、リラックス成分ではないけれど大好きな香りです。これを使用すると…
  幸せな気分 → リラックス → 自律神経が整う → 安眠
となることもあるのです。
自然療法において、自律神経を整えるということは、はじめの一歩であり大前提の事柄です。ストレスの原因を増やしちゃダメですよね。
そして、ちょっとビックリかもしれませんが、精油を選ぶ時に最も大切なことは、
本物の精油を選ぶことです。
日本では、精油は「雑貨」として扱われています。薬品や化粧品のような法規制の対象外ということもあり、非常に残念ですが偽物や粗悪品がたくさん出回っているのが実状です(-_-;)
安心して使える自分好みの精油を選ぶためにも、是非専門家のいるお店に足を運んでじっくりと選んでくださいね!(^^)!

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