ハーブはどこから来たのか…沢山の恩恵を携えて…

ハーブって何だろう?いったい何の役に立つ?
どーやって使うの?
…というお話

ハーブって何だろう?

近年よく聞くようになった「ハーブ」という言葉、ちょっとおしゃれな健康茶?なんてイメージの方も多いと思います。
「おばあちゃんの時代には薬草を煎じてたのよ」な~んて言う人も?
ハーブとは、自然界にある植物のうち、私たちが使用したときに何らかの効能が認められるものを呼ぶ総称です。
あれ?薬草は?…そうなんです!ハーブと薬草は同じなのです。
しいて言えば、用いてきた人々の住んでいる環境の違いってこと。身の回りで採取できる植物を活用してきたため、地域によって違いがあるのです。
イギリスのおばちゃんは「ハーブ」と呼び、日本のおばちゃんは「薬草」と呼んだのですな(笑)
もちろんこれは、薬事法で「薬」として認可されているかどうかとは別の話ですよ。
胃が痛くなったらゲンノショウコを煎じて飲む!とか土用に桃の葉湯に入るとあせもが治る!とか…今風な言葉で言うと、これもハーバルセラピー(植物療法)ですね。

ハーブはいつ頃から使われていた?

さて、人類は長い歴史の中でどうやって病や怪我と闘ってきたのか?
太古の昔、病や怪我は体内に入り込んだ悪霊を追い出すことで治るとされ、手法は呪術でした。紀元前3000年頃から、呪術の補助で使われ始めた薬草ですが、紀元前400年頃には治療の目的で使われるようになりました。
煎じたり、すり潰したり、燻ったりして使用していたそうです。
日本最古の書物と言われる古事記にも、現在薬草として用いられている様々な植物が登場しますが、中でも「因幡の白兎」のお話しは有名ですね。傷ついた白兎に塗った蒲(がま)の穂は、生薬の蒲黄(ほおう)です。止血や傷薬に使われています。
万葉集の「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」ですが、ムラサキという植物を採っている時に詠んだ歌だそうです。ムラサキの根は、生薬の紫根(しこん)です。殺菌や傷薬に使われています。
このように、植物を使った自然療法は遥か昔から行われてきたのですね。

ハーブと上手にお付き合いして健康増進に役立てよう!

ハーバルセラピーとは?

ハーブが何だか役に立ちそうなのは分かった!それを使ったセラピーがあるらしい…で?ハーブを使ったセラピーって何でしょう?
定義的に書けば、植物の有効成分を利用して心や体の不調を癒し、健康維持増進に役立てる植物療法(フィトセラピー)です。
植物に含まれる成分を使って元気になるという自然療法…植物成分で、自然治癒力を高める療法なのですわ!
有効成分を利用って…(ʘ_ʘ;)?化学っぽくて難しそう…に聞こえますが、実は誰しも知らず知らずのうちに経験している事なんですよ。
例えば、”公園に出かけたらバラが満開で幸せな気分に浸っちゃったわ”とか、”この並木道を通るといつも元気が出るのよね”とか……思い当たることありませんか?
植物の香りでリフレッシュというのは、正にハーバルセラピー!
”このお庭、素敵で落ち着くわ”とか!”小さなお花はかわいくて和むわ”なんていうのも、広く捉えれば植物療法の一種ですね。

いったい何の役に立つ?

植物は光合成して、エネルギー源やビタミン類などと共に、生体防御機能を司る植物化学成分(フィトケミカル)も合成します。これを使って生命維持活動をしているのです。
 ○害虫や菌、紫外線から身体を守る!
 ○良い香りで昆虫を呼び、受粉を手伝ってもらう!
 ○他の植物の成長を妨げる成分をまき散らす!
など、目的によって成分は異なり、植物の種類によって合成している成分も違うのです。現在100種類ほど確認されていますが、これはほんの一部で、現在も研究されています。
このフィトケミカルを頂くのです!
植物の生成したした成分が私たちの健康管理や美容に役立ってくれるということですな!
もちろん目的に合ったハーブを選ぶことも必要です。
ここ注意です!植物には私たちに有害な成分(毒など)もあります。知らない植物に手を出してはダメですよ!……あたりまえか('◇')ゞ

ハーブで病気を治す?

ハーブ(薬草)は長い歴史の中で研究が進み、19世紀になると特定の成分を取り出したり、その成分を人工的に合成することができるようになりました。今日私たちが利用している「薬」の誕生です。
現在先進国を中心に西洋医学で生まれたこの「薬」を使った医療が中心ですが、ハーブなど植物の力を借りた植物療法も見直されています。
薬は使用すると効果がはっきりと出る半面、他への負担がかかることもありますね(^^;) 植物療法はその心配が少ないのです。
ここで重要なお話です!ハーバルセラピーとは自然療法の1つ。民間療法であり、医療でも医薬品でもありません。
あくまでも医師が代替療法として取り入れる、または私たちが健康の維持増進に役立てるものとご理解ください。
病気の時は医師の診察を受け、処方された医薬品を適切に使って治しましょう!

どーやって使うの?

大雑把に言えば、ドライハーブの場合は絶対的な決まりはありません。ポプリのようにそのままを楽しむ事も出来ますね。但し、目的の成分によって使い方が少し違うのも事実です。
ハーブには、水に溶け出しやすい成分(水溶性成分)と、油に溶け出しやすい成分(脂溶性成分)が含まれおり、主に水、油脂、アルコールを使って抽出します。
例えばジャーマンカモミール…水溶性成分であるフラボノイドが抗炎症、精神安定に有効です。一方、脂溶性成分であるカマズレン(精油成分)はアレルギーや肌荒れに有効です。ということで、リラックスや胃の不調には水(お湯)での抽出、かゆみや肌荒れにはオイルでの抽出が向いているということになります。
このように、理解して使えば効果も大きくなるということですな!
フレッシュ(生)ハーブは、強い精油成分や水分の関係で、禁忌事項や使用上のコツがあります。よく勉強してから使いましょう!

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