UV-AとUV-Bが『表皮』に及ぼす影響
皮膚は紫外線を浴びると、一番表面の角質層が紫外線を反射させて侵入を防ぎます。
この防御体制をすり抜けた紫外線が表皮に入り込むと、基底層にあるメラノサイトが反応してメラニン色素を作ります。このメラニン色素が、侵入してきた紫外線を吸収して真皮に紫外線が侵入するのを防ぐのです。
真皮には血管や感覚神経などがあり、いわば皮膚の中心です。メラニン色素はここを守る大切な役割があるのですね。
そして役目を終えると、角化細胞のターンオーバーと共に、徐々に皮膚表面へと向かい、数カ月かけて角質とともに剥がれ落ちていきます。日焼け後、徐々に肌が黒くなるのは、このターンオーバーにより、メラニン色素が表面に上がってくるからなんですね。
それでは、UV-AとUV-Bそれぞれの作用を見ていきましょう。
UV-A
UV-Aの特徴は、ガラスなども透過して肌への刺激を感じないことです。このような性質から、気づかないうちに長時間浴びしまうことにもなります。
紫外線を長時間浴びたり、繰り返して浴びたりすると、メラニン色素を作るメラノサイト自体の数も増えていきます。そしてメラニン色素が増えるスピードも加速していきます(-_-;)
また、肌のターンオーバーのサイクルが乱れて進まなくなり、たくさんのメラニン色素が表皮内に滞留することになります。そして!この滞留したメラニン色素がシミやそばかすなるのです!!
ターンオーバーが進まないので、角質層も厚くなって、ガサガサ&ゴワゴワ肌で表面の皮がめくれたり…と美しくない外観にもなりますよ。
このUV-A照射によって皮膚が黒くなることをサンタンと呼びます。
UV-B
UV-Bの特徴は、短時間で肌を傷つけるということです。UV-Aに比べると地表に届く量はわずかですが、エネルギーがとても強いです。
UV-Bは波長が短いので、真皮まで届くことはありませんが、表皮の中に入り込むと、短時間で細胞を破壊して腫れ、水泡、などのやけどに似た炎症を起こします。この炎症は、UV-Bを浴びてから8~12時間でピークを迎え、数日で収まってきます。
このUV-B照射によって起こる炎症をサンバーンと呼びます。
UV-Bの強い力はDNA損傷を起こすこともあります。治ったように見える皮膚は、長い時間をかけて色素沈着や皮膚がんを発症することもあります。
UV-Aが『真皮』に及ぼす影響
後々に怖~い変化を引き起こす、UV-Aの影響のお話です。
A波は表皮にも影響を及ぼしますが、更にその下へと透過して真皮まで到達するのです。
真皮は肌の弾力やハリを保つための構造がある場所です。コラーゲン(繊維タンパク質)と弾性繊維が網状になっていて、その間にエラスチンやヒアルロン酸などがあります。
バネ構造の中に液体が入っているような様子を想像してくださいね。
UV-Aはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を破壊します。更にこれらを生成している真皮繊維芽細胞まで壊します!これはえらいこっちゃです!!
しかしこれより大変なのが、UV-Aは弾性繊維も壊しちゃうことです。弾性繊維はバネの骨組みです。弾力やハリの土台です。
この弾性繊維は代謝が遅く、老化と共に劣化して再生されないのです。この部分の研究は今でも続けられており、未だ決定打は生まれていません。
自力で再生するのが難しい部分が壊れると……?まずいことになりますね(>_<)
真皮のダメージは、長い時間をかけて深~いシワやたるみを生むということです!
次は日焼けケアは症状によって違うです