日焼けの原因となる紫外線は年中降り注いでいますが、やはり危険なのは夏です。
紫外線は6月~8月が一番強いといわれています。この時期は暑いので薄着で過ごすことが多くなりますよね。うっかりするとすぐに日焼けします
ましてや、紫外線量が多い標高の高い山に出かけたり、乱反射で日焼け率が高くなる水辺に出かけたり、危険がいっぱいです。
日焼け対策が一番重要ですが、日焼けしてしまったなら仕方ない…お肌の手当てと手入れをして、後年にヘンな遺産を残さないようにしましょうね(^^;)
アロマテラピーで使う精油にも、お肌を修復してくれそうな作用があります。『皮膚細胞再生作用』だの『収れん作用』だの、いろいろな作用があるのでよくわからないけれど、皮膚にいいって書いてあるからこれにしよう!ってな選び方をすると、効果を得ることができないかもしれませんよ。
紫外線にはA波とB波があり、屋外ではこの両方を受けることになります。この2種はそれぞれに傷つけるお肌の部位が違います。ということは、それぞれの部位のケアが必要ということです。
そして、肌が赤くなった!水ぶくれができた!など、初期の状態もいろいろですよね。そして、時間の経過と共に、皮がむけた!黒くなった!とこちらもいろいろです。
お肌の状態が違うということは、そこで起こっている事も違うってことですよね。ならば、ケアに必要な成分も違うはずです。
この辺のお肌の構造や紫外線についてをもう少し詳しく知りたい方は下記リンク記事もどうぞ。
[日焼けのメカニズムを知ると肌ケアの方法がわかる 【精油成分の作用】]
今日は、お肌の状態によって効果がある成分と、その成分を含んだ精油のお話をすることにします。
目次
- 日焼けによる皮膚の状態と対処方法
- 日焼けのケアに向く精油成分
- 日焼けのケアに向く成分を含んだ精油
- どの精油を選ぶ?
- まとめ
日焼けによる皮膚の状態と対処方法
まずは、日焼けによってお肌に起こる事態と、それに対する一般的な対処方法、そして必要な薬理作用を書きだしてみます。
いろいろな薬理作用が出てきますので、下記を参照してください。
- 冷却作用・・・・・・冷やす
- 抗炎症作用・・・・・炎症を抑える
- 鎮痛作用・・・・・・痛みを抑える
- 抗菌作用・・・・・・細菌の増殖を抑える
- 瘢痕形成作用・・・・傷口の修復を促す(創傷治癒のひとつの過程)
- 創傷治癒・・・・・・傷ついた組織の治癒
- 鎮痒作用・・・・・・かゆみを抑える
- 保湿作用・・・・・・潤いを保つ
- エモリエント作用・・皮膚を柔らかくする
- 皮膚組織再生作用・・傷ついた皮膚組織の修復を促す
- 皮膚組織賦活作用・・正常細胞の増殖を活発にする
- 皮膚組織活性作用・・新陳代謝を活性化してターンオーバー周期を正常に戻す
- 収れん作用・・・・・皮膚を引き締める
- 皮膚弾力回復作用・・真皮層に働きかけて皮膚の弾力を回復する
☆日常的な日焼け・・・普通に生活している中で起こる日焼け
黒くなる シミ、そばかすができる |
ターンオーバーを正常に戻す→皮膚細胞活性作用 白さを取り戻す→美白 |
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しわ、たるみが気になる | 傷ついた真皮の修復→皮膚弾力回復作用 |
これはサンタンと呼ばれる日焼けの症状で、紫外線A波によるものです。A波はガラスも透過するので、窓辺など室内でも起こります。お肌に照射された時の刺激は感じませんが、表皮の下の真皮まで届いて組織や細胞を傷つけます。お肌の張りを保つコラーゲン、潤い肌を作るヒアルロン酸、弾力プルプル肌を作るエラスチンが破壊されてしまうのです。そして!これらを作りだす唯一の細胞である真皮繊維芽細胞も壊れちゃいます!その結果シワやたるみが💦……残念
☆急激な日焼け・・・レジャーに出かけた時などに起こる日焼け
赤くなって熱を持っている | 冷やす→冷却作用 |
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ヒリヒリする | 炎症を抑える→抗炎症作用 痛みを和らげる→鎮痛作用 |
水泡ができる | 傷を治す→抗菌作用、抗炎症作用、瘢痕形成作用、皮膚組織再生作用 |
かゆみがある | かゆみを抑える→鎮痒作用 乾燥を防ぐ→保湿作用 |
皮がむける ガサガサして小じわができる |
新しい皮膚の成長を促す→皮膚細胞賦活作用、皮膚細胞活性作用 乾燥を防ぐ→保湿作用 ツッパリやゴワつきを改善する→エモリエント作用 |
黒くなる シミ、そばかすができる |
ターンオーバーを正常に戻す→皮膚細胞活性作用 白さを取り戻す→美白 |
これはサンバーンと呼ばれる日焼けの症状で、紫外線B波によるものです。B波はガラスは透過しないので室内には入り込みませんが、非常にエネルギーが強く表皮の細胞を傷つけます。日向に立つとお肌が熱くなったりジリジリしたりしますよね。それはこのB波の影響です。
実際には、屋内にいるときは別にして、A波とB波は同時に照射されていますので、日焼けの度合いによって両方の症状が現れるのが一般的ですね。
『黒くなる』というのは、真皮を守るためにメラニン色素が増えた結果なので、A波でもB波でも起こります。その後色素が沈着してシミやそばかすが出来ることも💦
B波によって傷つけられる表皮の症状は急性なので気になりがちですが、実はA波によって真皮の組織がジワジワと傷つけられていて、後々やっかいなことになるという訳です(-_-;)
ということで、日焼けケアは表皮に現れた症状と、年齢を重ねた時に取り返しのつかない事態を招かないようにするために、真皮への対策が必要ってことですね。
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