ローズマリーは大変多くの品種があります。樹形やお花の色をあれこれ選ぶのも楽しいですよね。
寒冷地で地植えできる品種は限られますが、鉢植えで育てて冬季は室内に避難させると考えれば選択肢もいろいろです。
私はローズマリー トスカナブルー(Rosmarinus officinalis’Tuscan Blue’)を育てています。
樹形は立性で涼やかな青色のお花を咲かせます。耐寒温度は-10℃程度と、比較的寒さに強い品種ですね。そして成長も早いです。
しかし信州では地植えは無理なので鉢植えです。
何しろ、寒さに一番強いといわれるローズマリー アープ(耐寒温度-15℃程度)でさえ、何本も枯れてしまった土地柄です
小さな苗からすくすくと成長を続けていますが、今まではあまり剪定していなかったので、樹形が崩れてきました。室内に置くということを考えると、扱いやすい大きさにまとめておく必要もありますね。
そして何より、使うために育てているので、枝の本数が多いとうれしいです
そこで今日はこのローズマリーを植え替えがてら剪定をすることにしました。
それでは始めます
剪定をする
枝の先端が切られて、その下の葉っぱ脇から左右に枝が伸びていますよね。
これは、春先に挿し木用の穂を切り取った跡です。その場所より根元寄りにも新しい芽は出ていますが、切り取った直下の方が明らかに成長が早いです。
でも、そこからじゃないと成長しない訳ではありません。次の写真を見ると分かりますよ。
○剪定した(切り取った)直下の芽は成長が早い。
切った直下から出る芽はどんどん成長するし、その下の節からもゆっくりではあるけれど枝が伸びてきます。
剪定後の成長も早いし、そのうち枝の本数も増えるって訳です。
樹形が崩れていたので、比較的太くなった枝も切りました。
半分くらいになったかな?
植え替えをする
○ひと回り大きな植木鉢
○鉢底石
○培養土
私は、
植物の培養土(元肥入り)5:砂3:赤玉土(中玉)2
で用意しました。そこへ苦土石灰を土1ℓに対して5gの割合で混ぜ込みます。
そこへ培養土を入れていきます。おおよそ6分目位入れておくと作業しやすいと思います。
そうしたら、古い土や枯れた根っこなどを丁寧に取り除いていきます。
根っこの張り具合にもよりますが、手でほぐしていくといいでしょう。
ローズマリーの根っこは、比較的細いものがネットのように伸びています。傷めない様に気をつけてくださいね。
腐ったり枯れている根っこはあまりなかったので、なるべく根っこが切れないようにしましたよ。
根っこを温存するのは、今後の成長を助けます。
表面から軽く土を押さえ、木がぐらぐらしないようになったら完了です。
たっぷりの水をあげて、1週間程度は日陰に置いて管理しましょう。
植え替え直後は疲労困憊ですからね
写真の通り、切った場所のすぐ下にある葉っぱの脇から新しい芽がどんどん出てきています。
こうやってすぐに別の芽が育ってくれるので、安心してどんどんお料理にも使いましょう!
おまけ 切り取った枝で挿し木をする
もし『もう1鉢作ろうかな…』と思っているのなら、チャンスです。
枝先を10cm位切り取って、水に挿しておきましょう。
このとき、水の中に入る部分の葉っぱは切り落としておきます。
キッチンの出窓など、明るい場所に置いておけば、1ヶ月位で根っこが出ますよ。
この写真は、水に挿してから2カ月程経過した姿です。
これを、培養土を入れた植木鉢に植えればOKです。
私の経験上、ローズマリーの挿し木は比較的失敗しやすいです
土を使って発根させるより、水で発根させた方が成功率が高いような?気がしています。
是非挑戦してみてくださいね。
まとめ
ローズマリーは品種によって耐寒温度は違いますが、それ以外の傾向は似ています。
どんな種類でも、
○水はけを良くする
○培養土を弱アルカリ性にする
○肥料を与えすぎない
○乾燥気味に育てる
といった感じですね。
ここで混同しやすいのが『肥料』と『栄養素』です。
人間で例えると、『毎日のてんこ盛り焼肉定食は必要ないけれど、食事は必要』って所でしょうか…
富栄養は好みませんが、成長するための栄養素は必須です。
植物は、生命保持のために必要な栄養素を外部からも吸収しています。同じ土壌で育て続けると、その土の中には栄養素が不足してきます。
その栄養素を追加できればいいのですが、ちょっと専門的なので、私たちは『土を入れ替えて環境を保つ』という作業をするのです。
植え替えをすると、少なからず根っこの損傷があります。根っこが少なくなれば、現在の体全体に栄養や水分を送ることに支障が出ますよね。
それをカバーするためにも、植え替えをするときには剪定をした方が安全なんですね。
ローズマリーは寒さに強いし、荒地好きだし、どんどん成長するし、とタフなイメージが先行しますが、実は根っこはデリケートです。
植え替えにせよ、挿し木にせよ、少しのダメージで枯れてしまうことがあります。
悲しい結果に繋がらないように、丁寧に扱いましょうね。
剪定と植え替えは、理論的にはいつでも可能です。ただし、手入れ後の立ち直りやすさを考えると、春か秋がいいでしょう。
今回は7月のお手入れでした。寒冷地ではあまり問題なくできる季節ではあります。
ただ…今年はすでに梅雨も明けて暑いです
元気で回復してくれるように、大切に管理していきますね。
それではまた、元気な姿をご披露いたします!
おわり