夏は、祭だ!海だ!バーベキューだ!…と、お日様の下で活動する機会が多いですよね。
ついうっかり日焼けしてしまうと、どうしてもお肌へのダメージが残ります。
『今回はヒリヒリもかゆみも出なくて良かったよ』はい!おしまい!
ではないですよね(-_-;)
紫外線をたっぷり浴びたお肌は、確実にダメージを受けています。目に見えないけれどね。
数日経つと、お肌がゴワゴワしてきたり💦黒くなってきたり💦近い将来には、シミ💦くすみ💦・・・残念
ってな訳にはいかないので、早く手を打ちましょう!!
それから、ひどい日焼けをしてしまって、『とにかくこの痛みとかゆみをどーにかしてぇ~』という状態が治まってからでも手遅れではありません!
ホントはちょっと遅いけれど、これは仕方がないです。炎症が治まらないと夜も眠れないし、服も着られない…。こっちを治すのが先決ですもんね。
とにかく早く対策を始めましょう。
ということで、今日は日焼けによって起こる、メラニン色素の増加、色素沈着、肌荒れに効果がありそうなアロマクリームを作ってみましょう。
アロマテラピーで使う精油にはたくさんの種類があり、目的によって使い分けます。
日焼け肌に良さそうな精油は以前の記事でまとめてあります。興味のある方はご覧くださいね。
〈関連記事〉 日焼けした肌に必要な精油成分を考える 【精油成分の作用】
目次
- 基材について
- 精油を選ぶ
- 用意するもの
- 作り方
- まとめ
基材について
精油は植物から抽出した非常に濃度が高い物質なので、使用するためには何かで希釈する必要があります。その希釈に使うものを基材と呼びます。
この基材の違いにより、ローションになったり、クリームになったりするんですね。
今回作るのは、痛みやかゆみといった炎症がない(あるいは治まった)お肌に使う、美白&美肌用アイテムです。
炎症があるときには、ローションやジェルなど熱がこもらない水性基材が適していますが、本来は脂性基材の方が保湿力が高いので肌ケアに本領を発揮します。
ということで、今回はシアバターとキャリアオイルを混ぜて作るクリームに決めましょう!
シアバターは常温で固形のため、少し使い勝手が良くありません。そこに常温で液体のキャリアオイルを混ぜて柔らかいクリームにしますよ。
混ぜるキャリアオイルはどれでもいいのですが、せっかくなら酸化しにくくて今回の目的に対する効果があるのを書き出してみましょうか。
まず挙がるのはオリーブオイルですね。
オリーブオイルは、メラニン産生抑制作用が高いことが知られています。ただ、粘性が高くて塗り心地は重いかもしれませんね。
次点でココナッツオイルでしょう。
メラニン産生抑制作用だけを考えると、オリーブオイルが優勢ですが、さらっとしたオイルなので塗り心地は軽くなります。難点は融点が25℃位という所です。つまり、室温がこれ以下になるとシアバターを柔らかくするという目的が果たせなくなります(-“-)
その次はスイートアーモンドオイルかな。
シアバターよりはメラニン産生抑制作用が高いですが、前の2種類に比べると少し酸化が早いです。
あぁどれもこれも良さそうで、ダメそうで・・・
ここに拘らなくても、シアバターと精油が本領発揮してくれるので、手元にあるキャリアオイルを使っても大丈夫です(^^)v
私は、とにかく衣類やタオルが酸化臭でダメになるのがイヤなので、酸化しにくいものを選びます!そして暑苦しいのがイヤなのでさっぱりオイルを選びます!!
ということで、オリーブスクワランを使っていますよ。冬以外だったらホホバもいいですね。ホホバの融点は12℃程度なので、それ以下になると固まっちゃうのでね(^^;)
今回は、基材はシアバター&ホホバオイルです。
シアバターは、シアバターノキから採れる植物性油脂です。酸化しにくいとう、とてもありがたい特性を持っています。
オレイン酸(40%程度)、ステアリン酸(40%程度)が主成分で、私たちの皮脂成分と似ているので肌なじみが良く、スーッと浸透するような感じで油膜を作って、保湿しながら角質を柔らかくします。
また、トコフェロール(ビタミンE)を含んでおり、皮膚の血液循環促進、老化防止などの効果と共に、皮脂やシアバター自体の酸化を防いでくれます。
他にも、お肌の弾力回復、皮膚再生、傷・やけどの回復、老化肌防止、日焼け防止、セルライト予防、妊娠線予防などなどお肌のお手入れに重宝するアイテムです。
未精製の製品は栄養価が高い反面、不純物も含まれています。初めて使う場合や、お子様、デリケート肌に使う場合は精製された製品を使うことをおすすめします。
オリーブオイルは、オリーブの果実から採れる植物性油脂です。オレイン酸(70%程度)、リノール酸(10%程度)、パルチミン酸(10%程度)が主成分です。
お肌への浸透性が高く、被膜のように覆って保湿をしてくれます。その他にお肌を柔らかくしたり、炎症やかゆみを抑える作用もあります。
キャリアオイルの中では、メラニン産生抑制作用がトップクラスです。
また、トコフェロール(ビタミンE)を含んでおり、皮膚の血液循環促進、老化防止などの効果と共に、皮脂やオリーブオイル自体の酸化を防いでくれます。
注)食用とコスメ用は別物です!くれぐれも、キッチンから持ってきて使わないようにね(^^; 添加物が入っている場合があります。
ホホバオイルは、砂漠地帯などに生えるホホバの種子から採れる植物ロウです。ワックスエステルが主成分で、非常に酸化しにくいオイルです。ワックスエステルは皮脂膜にも存在していて、角質層からの水分蒸散を防いでお肌を柔らかくする効果があります。浸透性が良くてべたつかず、伸びがいいのが特徴です。
皮脂分泌を調整する作用があるので、乾燥肌から脂性肌までどの肌質にも使えます。
その他にも、抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用などがあるので、日焼け後のお肌に向いていますね。
ホホバオイルにも未精製の製品と精製された製品があります。使い分けはシアバターと同じです。また未精製(ゴールデンホホバ)の方が少し酸化速度が速いです。
精油を選ぶ
次に精油を選びます。お肌が黒くなるのを抑える、シミ・くすみを防ぐ、ガサガサ肌・ツッパリ肌を回復する、保湿するというのが目的です。
この辺りを頭に置いて考えます。
今回は、以下の3種類を使うことにしましょうか。
○サンダルウッド
○フランキンセンス
○ミルラ
サンダルウッドは、メラニン色素産生を抑制することが分かっている精油なので、真っ先に候補になりますね。皮膚がんの予防や角質層の修復に効果があるとの研究結果も発表されています。この他にも、血行促進、細胞再生、皮膚軟化、皮脂の酸化抑制など今回の目的に最適です!
フランキンセンスは、血行を良くして細胞を活性化させるので、傷の修復や細胞の再生に役立ちます。肌を柔らかくする作用、肌を引き締める作用があり、シワやたるみ、皮膚がん予防にも向いています。体内時計のリセットをしてくれるので、生活リズムを正して細胞再生を促すのによい効果があります。
自律神経調整作用も優秀なので、リラックスして質のよい眠りを取る助けにもなります。これも回復の早道ですね。
ミルラは、皮脂の酸化を抑えて(抗酸化作用)過酸化脂質の産生を予防します。傷ついた皮膚組織の回復を促進して、角質を柔らかくする効果があるので、ターンオーバーを正常化するのにも役立ちます。
お肌のガサつき、つっぱり、しみ、シワ、たるみ、老化肌を予防するのに向いています。
- メラニン産生抑制作用とは?
紫外線を浴びると、活性酸素が発生してメラノサイト(表皮の基底層にある細胞)を刺激します。この刺激で活性化したメラノサイトは、チロシナーゼ(酵素)を生成します。そしてこのチロシナーゼの働きでメラニン色素が生成されます。
メラニン産生抑制作用とは、チロシナーゼの働きを阻害することでメラニンの産生を抑制するという働きです。 - 皮脂の酸化を防ぐ必要性は?
紫外線を浴びると、活性酸素が発生して皮脂を酸化します。これが過酸化脂質ですね。この過酸化脂質は表皮の細胞を傷つけて炎症を起こします。炎症が起こるとターンオーバーも乱れます。また、炎症が悪化すると真皮層まで影響が及び、コラーゲンやエラスチンを破壊します。
これが、シミ、しわ、たるみ、老化肌などの原因になります。こうならないためには酸化を防ぐことが大切なんですね。
この酸化を防ぐ作用を抗酸化作用といいます。 - 乾燥はどんな影響がある?
通常のお肌表面は、皮脂と汗でミックスされた皮脂膜で覆われていて、バリアのような防御態勢を作っています。
乾燥すると、表面の角質がめくれ上がって肌荒れを起こします。肌荒れが起こるとバリアが壊れて外部からの刺激に弱くなり、炎症を起こしやすくなります。炎症が起こるとターンオーバーも乱れます。
そして表皮の乾燥も進みます。本来細胞の間にあるはずの水分が減ってしまうのですき間だらけになり、シワの原因になります。また、このすき間に異物が侵入しやすくなり、その刺激によってかゆみが起こることがあります。
真皮まで乾燥が進むと、コラーゲンを破壊してしまうので、たるみの原因になります。
そして、皮脂が酸化してしまうとバリアを作る皮脂も足りなくなっちゃうので、抗酸化と保湿は同時にやらないとダメですね(^^;)
今回この3種類に決めた理由は…
- メラニン産生抑制といえばサンダルウッド!
- 体内時計を正常化して細胞再生を促すならフランキンセンス!
- 皮膚を柔らかくしてお肌の若返りを図るならミルラ!
といった考えです。
次のページは準備と作り方です!